問題の概要
最初に、第21回実技(論述)試験問題の概要を簡単に紹介します。
相談者は35歳女性・既婚・子供有(7歳)の派遣社員。
逐語記録では、同僚の派遣社員との関係が中心でした。
問題は、CC協議会の解説書を参照しました
全体的な印象
感情を直接示す語句が多くなく、仕事内容や将来設計に直接関する相談内容でもなく、解答しづらく感じました。
自己理解や仕事理解、コミュニケーション不足に関連づけて解答できないかと考えましたが、自分自身で明確な方向性を見つけられないまま書き進めたので、苦労しました。
私には難易度の高い問題でした。
私の解答と振り返り
問1 相談者が相談したい「問題」は何か
■私の解答
今の仕事はとてもやりがいがあり、気に入っている。できるだけ続けたいと思っている。他方で、同僚の派遣社員から浮いている気がする。先回りしてできるだけの仕事をすることで同僚から気に入られていないと感じるが、自分ができることをセーブしながら働くことはとてもストレスに感じる。同僚との関係でストレスを感じながらもこのまま働く方がよいか、転職して正社員に戻る方がよいかわからないという問題。 |
(振り返ってみて)
WEB上にある解答例と比べると許容範囲の解答と思えました。これに対して、CC協議会の解説書では、相談者は「子育てしやすい」と「ストレスなく働ける」の両方を手に入れたいと捉えていることが印象的でした。ただ、「両方を手に入れたい」とまで推測するだけの根拠を逐語記録から見出すことは私にはできないです。
■書き直し後の解答
(特に書き直しませんでした) |
問2 キャリアコンサルタントとして考える、相談者の「問題」は何か
■私の解答
同僚の派遣社員からの発言から「手を抜けって言われているよう」と自分だけで解釈したり、他の派遣社員がのんびりしていると一方的に考えているふしがあり、同僚とのコミュニケーション不足の問題がある。また、正社員に戻る方が伸び伸びと働けると思うなど正社員と派遣社員の働き方に対して思い込みがある問題がある。今の職場で働き続けたいと思いながらも、同僚との関係を気にする中で仕事をやり辛いと感じるなど自己効力感の低下がある。 |
(振り返ってみて)
「自己理解」に関する問題を記述したいとしばらく考えましたが思いつかず、記述することを諦めました。WEB上の解答例をみると相談者がどのような働き方をしたいのか曖昧なことが問題としているものがありましたので、それを自分の解答に反映できていたらよかったと感じました。ちなみに、CC協議会解説書では、周囲と仲良くやることをどの程度大事にするかということを自己理解と捉えていました。こういう捉え方は自分にはできなかったので勉強になりましたが、今回の私の解答全体との整合性を考慮するとこの捉え方は自分の解答に反映できないと思いました。
「仕事理解」に関する記述については、「働き方に対して思い込みがある問題」と書いてしまい、仕事理解との関係が曖昧だったと読み返してみて感じました。この関係を明確にした記述の方がよかったと思います。
「コミュニケーション不足」の問題は、WEB上の解答例でも取り上げているものがあり、的外れではなかったと思います。しかし、記述分量が多くなっていたので、もう少し短くして、他の論点の記述を充実させる方がよかったと思います。
「自己効力感の低下」については、他の解答例で取り上げているものがなく、的外れだったかもしれないと思いました。「自己効力感の低下」というよりも、働き方に対する「迷い」とする方がよかったように思います。
以上の振り返りを踏まえて、書き直してみます。
■書き直し後の解答
同僚からの言葉で「手を抜けっていわれているように」感じて戸惑うなど、相談者はどのような働き方をしたいのか自己理解が不十分である。正社員に戻る方が伸び伸びと働けると思うなど、今の仕事や正社員の仕事への理解が不十分である。他の派遣社員がのんぶりしていると一方的に考えるなど、同僚とのコミュニケーション不足の問題がある。今の職場で働き続けたいと思いながらも、同僚との関係を気にして仕事をやり辛いと感じるなど、働き方に対する迷いがある。 |
問3 上記2つの問題を合わせ、相談者を援助するための目標と具体的方策は何か
■私の解答
①目標 今の職場で派遣社員に求められる仕事理解を深めるとともに、同僚の気持ちや考えを理解することで、今の職場で派遣社員としてどのように働けばよいか、又は転職して正社員になるのがよいかを相談者が自律的に考えられるようにする。 |
②方策 同僚との関係に悩む相談者の話を傾聴して、その気持ちを受容・共感することでラポールの形成を図る。その上で、どのような働き方が求められているかを上司や正社員に尋ねて、仕事理解を深められるようにする。また、同僚の派遣社員への声かけを促すなどしてコミュニケーションを促し、他の派遣社員の働き方や気持ち、考え方について理解を深められるように支援する。子育てで残業できないために頑張らなければならないとの相談者の気持ちを受けとめた上で、自責思考を緩めて仕事のやり辛さをやわらげ自己効力感を向上させる。以上を通じて、相談者が自らどのように仕事をすればよいかを決定できるように支援する。 |
(振り返ってみて)
読み返してみると、相談者には他の派遣社員に対する理解が浅いと評価して、それを是正しようとする内容になっていると感じました。これでは相談者は受け入れづらいだろうと思います。特に、①目標は大幅な修正が必要と思います。
②方策の中では、自己効力感への対処部分は、そもそも自己効力感の低下についての根拠が不明確であり、必要な方策にはなっていないと思います。相談者が「迷い」を解消できるような記述にする必要があると思います。
これまでの振り返りを踏まえて、書き直してみます。
■書き直しの解答
①目標 相談者自身がどのような働き方をしたいかなど自己理解を進め、今の職場で求めらることなどの仕事理解を深めるほか、同僚の様子など職場環境も知ることで、今の職場で働き続けたい思いと同僚との関係の難しさからくる働き方の迷いを解消する。 |
②方策 同僚との関係に悩む相談者の話を傾聴して、その気持ちを受容・共感することでラポールの形成を図る。その上で、子育てとの両立や働きがいに求めること、同僚との関係などの項目に分けて相談者の気持ちや考えを聴きながら、相談者の自己理解を進める。また、上司への相談などを促し、今の職場で求められる仕事内容の理解を支援する。同僚派遣社員への声かけなどのコミュニケーションを提案して職場環境理解を支援する。以上を通じて、相談者が現在の迷いを解消して、自立的に仕事ができるように支援する。 |
最後に
2級キャリアコンサルティング技能検定の実技(論述)試験の解答練習に初めて挑戦してみました。
いかがでしたでしょうか?
皆さんのご感想などをお聴かせいただけると嬉しいです。
コメント大歓迎です!
【念のため】
自分のための個人的な解答練習です。
決して模範解答ではありませんし、合格水準に達しているかどうかはわかりません。
くれぐれもご注意ください。
せっかく解答練習するなら、恥を忍んでブログにアップしてみようと大胆にも考えて見ました。
こんな解答を書く人もいるんだなぁと生暖かく見守っていただけると嬉しいです。
今回の解答練習で参考にした書籍とウェブサイト
CC協議会(キャリアコンサルティング協議会)の解説書
『国家検定2級 キャリアコンサルティング技能検定:過去問題に基づく実技の視点、考え方 改訂版』
WEB上で見つけた解答例
キャリコンシーオー・解答例
「2級キャリアコンサルティング技能検定実技試験対策」解答例
佐世保キャリアコンサルティング協議会・解答例
註
これは模範解答ではありません。合格水準に達しているかどうかは不明です。
ご注意ください。
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