2級キャリコン第25回実技(論述)試験の解答練習

2級キャリアコンサルティング技能士検定試験

問題の概要

最初に、第25回実技(論述)試験問題の概要を簡単に紹介します。
相談者は45歳男性。コロナ禍直前に退職した後に10ヶ月ほど経過し、就職活動中だが希望通りのところが見つからず焦っている。
逐語記録では、希望どおりの再就職先がみつからない焦り、長年経験した生産管理へのこだわり、子どもの学費など生活資金の不安が印象的でした。

問題は、CC協議会の解説書を参照しました。

全体的な印象

キャリコン視点での相談者の問題がいくつも見受けられる印象でした。
解答記述中に逐語記録を読み直す度に新たな問題がみつかり、どの問題を解答にとりあげるか悩みました。ただ、書き直しの時間もなかったので、最初に書き出した内容を維持する解答内容となりました。
私の解答ではファイナンシャル・プランに焦点の一つを当てましたが、WEB上の解答例を観るとライフ・プラン程度に広げておく方が無難だったかなと感じました。

私の解答と振り返り

問1 相談者が相談したい「問題」は何か

■私の最初の解答

生産管理部で約20年間頑張ってきた会社だったが、異動した営業部での仕事がうまくいかず、他社で生産管理の仕事をしたいと考えて退職した。生産管理の経験を活かせる仕事を探したが希望どおりのところが見つからず焦りがある。子供の学費がかかり年収800万円を希望するが、考え直さなければならないと思い悩んでいる。家計の問題もあり早く就職を決めたいが、就職先がみつからないという問題。

(振り返ってみて)
CC協議会の解説書に「早く就職を決めるためにどうしたらよいか分からない」とする方が相談者にとってしっくりくる旨が書かれていました(p.29)。この指摘を踏まえると、私の解答の「就職先がみつからないという問題」は「就職先がみつからずどうしたらよいかわからないという問題」と書き加える方がよいと考えました。
この点を踏まえて、少し書き直してみました。

■書き直し後の解答 

生産管理部で約20年間頑張った会社だったが、異動先の営業部での仕事がうまくいかず、他社での生産管理の仕事を希望して退職した。生産管理の経験を活かせる仕事を探したが希望どおりのところが見つからず焦りがある。子供の学費がかかり年収800万円を希望するが、考え直さなければならないと思い悩んでいる。家計の問題もあり早く就職を決めたいが、就職先がみつからなずどうしたらよいか分からないという問題。

問2 キャリアコンサルタントとして考える、相談者の「問題」は何か

■私の最初の解答

「どうやら営業は向かないよう」「生産管理の仕事ならできるような気がして」との発言から、相談者にどのような仕事上の経験、強みがあるかなどの自己理解が不足している。また、子どもの学費が必要な一方で貯蓄を崩す必要を口にしながら、漠然と年収の下がる再就職先に応募しており、将来のファイナンシャル・プラン、ライフ・プランが不十分である。さらに、一次面接の不合格でかなり落ち込むなど自己効力感が低下している。また、生産管理のこだわりの問題がある。

(振り返ってみて)
全体の印象で先述のとおり、改めてみるとファイナンシャル・プランに限定しない方が安全で、ライフ・プランの記述のみで十分と考えました。
また、最後の「また、生産管理のこだわりの問題がある」は解答時間ギリギリに問3との整合性で書き足したもので、説明が不十分と思います。
他の解答例をみると、「活動量不足」「就労市場の理解不足」など再就職活動に焦点を当てているものがありました。この視点で問2と問3の解答を作成するのも一案と思います。今回の私の解答でも少し触れられればと思いました。
以上の振り返りを踏まえて、ファイナンシャル・プラン部分と最後の生産管理のこだわり部分を中心に書き直してみました。

■書き直し後の解答 

「どうやら営業は向かないよう」「生産管理の仕事ならできるような気がして」との発言から、相談者にどのような仕事上の経験、強みがあるかなどの自己理解が不足。繰り返し生産管理に言及するなど、生産管理にこだわった再就職活動に留まり、活動量と仕事や就労市場の理解が不十分。また、子どもの学費や貯蓄に不安を持ちながら、漠然と年収の下がる再就職先に応募しており、家計を含めた将来のライフ・プランが不十分。さらに、一次面接の不合格でかなり落ち込むなど自己効力感が低下。

問3 上記2つの問題を合わせ、相談者を援助するための目標と具体的方策は何か

■私の最初の解答

①目標
相談者が持つ仕事上の経験や強みを把握することで自己理解を深めるとともに、自己効力感の向上を図る。家計を含むライフプランを明確にして再就職に必要な要件を把握し、相談者が自信をもって主体的に就職先を決められるようにする。
②方策
退職後10ヶ月以上経ても再就職先が見つからない焦りや落ち込んだ相談者の気持ちを傾聴して受容・共感し、ラポールの形成を図る。その上で、相談者の了解を得てジョブカードを活用しキャリアプランシート作成を共に進める。これにより職務経験や強みなどを可視化して再就職に活かすとともに自信を回復して自己効力感の向上を図る。さらに、将来のファイナンシャル・プランの作成を行い、学費等の支出がどのように推移するかを見通すとともにパートタイマーの配偶者の所得や貯蓄を含めた収入・資産を検討する。これにより、相談者が再就職により必要とする所得金額の目安を明らかにする。できれば了解を得てジョブタグを利用し、生産管理以外に経験を活かす職種がないかを考え、再就職の選択肢を広げる。以上を通じて、相談者が落ち着いて自信を持って主体的に意思決定できるように支援する。

(振り返ってみて)
①目標と②方策の整合性がやや欠けていたと気が付きました。具体的には、②方策の解答の中に「自己理解」の言及がなく、①目標の中に「再就職の選択肢を広げる」に対応する記述がないことです。
また、②方策でファイナンシャル・プランについて詳しく記述している部分が気になりました。この部分はもう少し簡略化して他の記述を充実する方がよいように感じました。
また、他の解答例をみると「コンプリメント」するものがありました。私の解答でも「コンプリメント」記述の引出も増やしておきたいと感じました。
以上を踏まえて、書き直して次のとおり書き直してみました。

■書き直し後の解答 

①目標
相談者の経験や強み等の自己理解を深めるとともに、自己効力感の向上を図る。再就職先の仕事理解を深め、選択肢を増やす。将来のライフプランを反映した再就職ができるようにする。以上により、相談者が自信をもって就職先を決められるようにする。
②方策
再就職先が見つからない焦りや落ち込んだ相談者の気持ちを傾聴して受容・共感するほか、生産管理部課長職時代の順調な仕事などをコンプリメントして、ラポールを形成する。その上で、相談者の了解を得てジョブカードを用いて、生産管理の職務経験や強みなどを可視化して自己理解を深め、自信の回復による自己効力感の向上を図る。了解を得てジョブタグを利用し、生産管理以外に経験を活かす職種がないかなど仕事理解を深め、再就職の選択肢を広げるほか、就職市場の情報を提供。さらに、子どもの学費を含めたライフプランを作成し、キャリアを検討する。以上により、相談者が焦らず自信を持って主体的に意思決定できるように支援する。

今回の解答練習で参考にした書籍とウェブサイト

CC協議会(キャリアコンサルティング協議会)の解説書
『国家検定2級 キャリアコンサルティング技能検定:過去問題に基づく実技の視点、考え方 改訂版』

WEB上で見つけた解答例
キャリコンシーオー・解答例
「2級キャリアコンサルティング技能検定実技試験対策」解答例
佐世保キャリアコンサルティング協議会・解答例

これは模範解答ではありません。合格水準に達しているかどうかは不明です。
ご注意ください。

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